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国道16号第7話 少年とかかし
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回転式鼠取り 回転機は元々大量に回転させることで電灯石を大量に発掘するための機械だった、しかしこの場所の電灯石を堀尽くした今は巨大な鳥の巣になっていた。
回転軸にまとわりつく様にして建つ寂れたこの街も、かつて電灯ラッシュの頃はとても活気のある街だった。
最初に羊飼がこの平原に電灯石が発見したと言う。そして各地より電灯堀がおし押せてきて、やがて街が出来た。ここの電灯石は質が良く埋蔵量も計り知れないと思われていたのだ。そしてその思いはついに大量に電灯石を発掘出来る回転機を建てさせたのだった。回転機から溢れ出る電灯石を求めてさらに人々が集まると街はかつてないほどの繁栄を見せた。しかしここまでだった、回転機が出来て一年もすると電灯石が出なくなってしまったのだ、埋蔵量は意外に少なかったのである。 こうして電灯石が目当てだった大半の人々は街を去り後には抜け殻のようになった街と回転をやめた回転機と穴だらけになった荒れ地が残った。
通常鼠は地下空洞で単独で生息しているが、この頃になると孤独を癒すために温もりを求めて地上に出てくるのだ。 彼らにとって孤独は嗅覚から忍び込んでくる。同様に温もりも又嗅覚によって感じることが出来る。 やがて鼠は懐かしい同種の雌の臭い、つまり温もりを嗅ぎ分けると移動を開始する。 そして温もりの臭いがはっきりして来ると共に孤独の臭いも又強くなっていくのだ。孤独の臭いがすでに物理的な痛みを伴い始めたころ 、彼はついに見付けた。 それは濃厚な臭いをまき散らしながらゆっくりと回転をしていた。その姿は彼や彼の母とは大きく異なっていたが、むせぶようなその臭いは確かに暖かかった。そして何より彼と同じ耳が着いていたのだ。 たまらずに彼はすがるようにそれに抱きつくと下半身から染み込んでくる暖かさに孤独のすえた臭いが消えていくのを感じた。 間違いないこれなのだ、もう二度とはなさない。 鼠はさらにしっかりと抱きつくと一緒にゆっくりと回転を始めた。
おいスコット、鼠退治にこんな電灯ごて一本でだいじょぶなのかよ。回転街に向かうかかしの行列に並びながら若いかかしのフレッドは呟いた。 それがなフレッド何でも今回は退治じゃないらしいんだ。スコットと呼ばれたかかしは答えた。 スコットとフレッドは何度も仕事を共にしてきた、彼らはこの危険な仕事を助け助けらしてきたコンビだった。 退治じゃないってどう言うことだよ。 何でも鼠があの回転機から逃げないように見張っていれば良いらしい。 見張りって。 ああ、あの回転機はどうやら鼠取りらしいんだ、ああやって鼠をくっ付けといて毎日少しずつ回転を早めていって回し殺すというわけだ。 回し殺す…、ひでーな、でも何であんなにあいつ必至にくっついてんだ。 それか、それはお前、何か感じないか。 なんかって、えらく生臭いってぐらいかな。 そうこの臭いだ、この臭いであの回転機が鼠には雌に見えるらしいんだ。 そういう事か、あの鼠も惨めだな、まっこっちは楽な仕事で良かったけどな、フレッドそう呟くとかかしの列を一つ詰めるのだった。 秋、かかし達は仕事を求め長い長い列を作る。
しかし、かかし達が迷惑動物の駆除に使い始めてから武器としての能力を高く評価され、今では軍から女性の護身用としてまで幅広く使われている。 電灯ごての力はごての変換能力と使用者のエネルギー量そして何より電灯石の質で決まる。 この三要素が、最高の電灯ごては戦艦にも勝るという言葉で、その力の幅の広さを現していると言えよう。
彼らは傷を保護する代わりに血の中にある血小板を食べて生きている。 そして傷が治ると新たな傷口を求めて旅に出るのだ。 今彼は最後のデザートとも言えるかさぶたを食している。柔らかさの中にカリカリとした食感を持つそれは彼の大好物だ。そしてかさぶたが出来ているという事は傷口がほぼ治っている証でもある。 彼は自分の仕事をしばし満足げに眺めた後もうけがはするなよと独白し、再び残りのかさぶたを食べ始めた。 ![]() |
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