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国道16号第5話 少年と大人
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![]() 社会 大人の大型機動構造体、社会が黒い煙を吐き出しながらキリンを従え平原を走っていた。
僕も空が飛べるかなー、大人であり社会のソウリである父の右腕に乗りながら子供は呟いた。
飛べるさ、大人になれば、兄はさとす様に優しく答えた。 けど父さんは飛べないよ。 父さんは社会のソウリだから凄く偉いんだ、だから飛ぶ必要はもうないんだよ。それにもっと前,ずっと赤かった頃は父さんも飛べたんだぜ。 じゃあ僕は緑だからダメなのかなー。 それはまだ子供だからだよ、これから黄色くなって赤くなるのさ。 でも大きくなったら中学生になちゃうんでしょ、僕やだよ。 だいじょぶだよ子供は中学生になんかならないよ、なるわけないさ。 だけど大人にはなるんでしょ、だったら…。 いいか、ならないったらならないんだ。 そう言って押し黙っている兄の横顔が微かに凹み始めていることに子供はきずいていた。
理由も忘れ去られたこの争い事を大人と中学生はずっと昔から続けていた。 ただ言えることは幼なじみのさちこが先週大人達にイタズラされたということだ。そしてそれが元でさちこの頭の凹み、心の割れ目は致命的な程まで深くなってしまっていた。心の割れ目がこのまま進み脳髄まで達するとその中学生は中学生としての死を迎える。 そして今、多くの中学生が大人達に矢印を付けられ、社会に線で区切られる事で心の割れ目を深めていた。 このままではみんなやられてしまう、大人を、社会を止めなければ、中学生やすあきは思うのだった。 しかし一人、又一人と大人を倒す度にやすあきの心の割れ目はより深くなっていった。一体どうすれば良いと言うのだろうか。 そしてやすあきは余りに理不尽な社会への怒りを大人達にぶつける為に再び平原を走り出した。
彼もそんな大人達の一人だった。何時からこんな事になってしまったのだろうと彼は思う。かつての彼は大人の中でも中学生との共生の道を模索していたのだ。しかし社会が、あの社会が彼の熱意も情熱も溶かし込んで行ってしまった。 この臭いは、彼の鼻柱が微かに残った中学生特有の湿ったパンの臭いをつかんだ。 そして平原に社会を止めようと手をつなぐ中学生を見いだした。 一体何時から…、彼は一番手前の中学生に標準を合わすと素早く矢印を放った。 矢印は狙いどうり中学生の背中に刺さると直ぐにその中学生の動きを止めた。中学生は矢印を付けられるとすくんでしまうのだ。 何故こんな事に…、しかし矢印を当てたとき、彼はえもいえぬ充実感を感じずにはいれなかった。そして頬を伝う涙にきずきもせずに彼は続けざまに矢印を投下して行った。 やがて平原はゆっくり矢印に覆われて行った。
走ること、そして横にのびる事がキリンとしての仕事だった、何故ならキリンがのびた長さこそがその社会の社会としての力量を現していたからだ。 しかしキリンとしてはそんなことはどうでも良かった。ただ平原を走る、それだけでキリンとして充分だったのだ。しかし気になる事と言えば一頭づつ外側に送り出される度に首も徐々に長くなっていくと言うことだ。 確かにキリンにとって首の長さはそのままキリン間の力関係を現す、より首が長いキリンほど偉いのだ。 しかし首が長くなりすぎてしまったキリンは血が脳髄に回らなくなりやがて貧血を起こして走れなくなってしまうのだ。 走れなくなったキリンはどうなるのだろうか、きっとキリンの列が伸びすぎてしまった社会のように身動きさえ取れずに忘れられてしまうに違いない。 最近頭がやけに重くなった様な気がするキリンはそんなことを考えながら今の所は黙々と走り続ける喜びに浸るのだった。
オトナと呼ばれるヤニ臭い生き物が置いていったのだ。 しかし彼は高いところは嫌いだった、なぜなら恐くて恐くてすくみ上がってしまうからだ。 何て恐いのだろう恐くて何もできない、どうしようこのままだと恐れ死んでしまう、そうだ誰かに助けてもらおう。それが良い。 こうしてポークは助けを求め泣き始めた。 ポークは恐怖に囚われるとあらゆる所に動物磁力を送り助けを求める習性がある。 大人はそれを利用していた。 動物磁力の範囲内入ったあらゆる生き物はその存在を互いに関知することが出来るのだ。 こうして大人は今日も中学生を常に監視することが出来た。 中学生は常に監視していなくてはならない。何故なら中学生は唯一社会を変える時代の力を持つ存在なのだから。 そん事とは何も知らず、今日もポークは助けを呼び泣き続けていた。 |
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