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国道16号第1話 少年と有機バイク
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![]() オアシス 彼が発生してから35回目の乾期迎えようとしていた。すでに彼は気が付いていた、サイクルが巡って来たのだ、この乾期が彼の最後の乾期となるだろう。彼が発生した大地に帰るときが来たのだった。
3は思っていた何故僕ばかりが何時ものけ者にされるのだろうか。
平原に乾期が訪れるとバイカー達は一斉に旅立ち始める。
バイカーは地上の渡り鳥だ。その翼はバイク、そして平原最大の鳥「唇鳥」の頭部を削り出して作られたヘルメットは星の磁気を正確に教えてくれる。 彼らが目指すのは「サイクル」かつて伝説のバイカー吉次郎だけが足を踏み入れたと言う幻の黄金郷。しかし彼は帰ってこなかった、ただ彼のバイクだけが平原で発見された「我、サイクルを見つけたり」というメッセージを刻んで。 こうして多くの若者達が黄金郷を求めてバイクで平原を渡り始めた、けれども多くの者は平原に消え二度とは帰っては来なかった。未だに平原の大部分は未開であり蚊が多く生息する危険な場所なのだ。 今、バイカー達はオアシスに集まる象の群で一時の安らぎを得ていた。象からは良質の動物性蛋白質が取れるのだ。しかし彼らは直ぐにまた旅立って行くだろう、何故なら彼らはバイカー、地上の渡り鳥なのだ。 そして何より蚊の群が迫って来ていたからね。
最新の生体技術を駆使する事によって実現された高い運動性、驚異の高燃費はきっとあなたを満足させてくれるはずです。 動物性蛋白質を効率よく分解する胃は50Pと大容量を実現、胃壁も従来の3倍の強さで栄養漏れの心配は在りません。さらに腸は独自のダイナミズム技術で40Eものロングタイプを搭載、ブドウ糖の吸収逃しをたった0.3%に押さえる事に成功しました。また吸収効率の面でも従来の1.8倍もアップしています。そして余った栄養を脂肪に変えて蓄える事が可能となった事により驚異的な燃費性能を実現、平原での長旅でも充分耐えられます。 足回りでも最新の生体筋肉の導入で運動性も飛躍的に向上し赤筋肉と白筋肉との芸術的結合により加速性能を落とさず持久力を上げる事に成功しました。さらに第三関節システムの導入でどんな悪路でも柔軟に対応しサイクルを妨げません。 また運転手をサポートする生体頭脳には始めて縞大犬の脳を搭載、誰にでもなつきかつ忠実に職務を全うします。 さらに廃棄物は完全有機物ですので環境を汚しません。 「信用は実績」のオオクボ生体の最新動物バイク「口犬」はかつてない最高の動物バイクです。
蚊は普段水草等を食べてる草食動物だ、しかし産卵期のみ栄養を補うために蚊の雌は動物性蛋白質を吸う。 サナエは焦っていた身重の体をおしてようやく動物の集まるオアシスを見付けたはいいものの今回は蚊の大量発生の回で、すでに大量の蚊が象等の大型の動物に取り付き、もう吸う場所がなかったのだ。速く吸わなければお腹の子が死んでしまう。 蚊の寿命は極端に短いと言われている、通常3回程度の乾期しか迎えられない。その為産卵時の雌の蚊は見境が無くなる。 その時サナエはとても小さい二本足の奇妙な生物を見付けた、それはあまりにも小さく弱々しく見えた。 蚊は大量の動物性蛋白質を吸うため小型の動物が吸われるとかさかさになってしまう。 サナエは思った、きっと吸ったらあの生き物はかさかさになってしまうだろう。けれどお腹には数万匹の命が育っている、一人のかさかさが数万匹の命を救えるのだ、言うなればサイク。それならあの小さな生き物も本望だろう。 ありがとう、お腹の命は必ず産み出します。そう誓うとサナエはその二本足の奇妙な生物にツプッと吸い付いた。
彼女の兄は天才的なバイカーだった。それは吉次郎の再来と呼ばれ、父は己がなし得なかった夢、サイクルを彼に託していた。しかしそんな兄も前の乾期の時「蚊」にやられた。彼らのような小型の哺乳類は象などに付く大型の蚊にやられてはひとたまりもなかった。そしてかさかさになった兄を見た時から優しかった父は変わった、バイクなどに興味もなかった彼女を無理矢理バイカーにしようとし始めたのだ。 そして今、父は彼女を若い頃からの親友の凄腕バイカーに預けようとしていた。 素晴らしいバイカーにしてみせますよ、あの子にはその素質がある。馴れ馴れしくあの子と呼ぶ「凄腕」を彼女は直感的に嫌いになっていた。 父さんも凄腕も蚊に吸われてかさかさに成ってしまえば良いのに、ひとしきりそう思うと彼女は管が作られるイメージに脳を集中させ心を閉ざして行った。 |
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